top of page
Story
あるところに、「地球」という星がありました。
ここは動物や人間が暮らす、とても平和な世界です。
しかし便利な物が溢れていくにつれて
人間の心に少しずつ変化が起こり始めました。
神様は異変を感じ、心の中を覗いてみると
多くの人々がお互いを比べ合い、見えないところで落ち込んだり、泣いたりしているのです。
やがて正体を隠して「言葉」で人を傷つけるようになりました。
神様は怒って、この世界を終わらせることにしました。
風がビュービュー。雷がゴロゴロ。
街からは建物が消え、人も消え、やがて緑や水もなくなっていきました。
ある日、神様は何もない大地の上に小さな女の子がいることに気が付きました。
女の子は木の枝を使って、ひとりで遊んでいます。
「おやおや。まだこんなところで遊んでいたのかい?」
「うん!お絵かきしているの!」
キラキラとした目で、ニコッと笑いました。
神様は楽しそうに遊ぶ姿を見て、あることを考えました。
「ここで遊びたければ、この光を授けます。
明日この世界が終わる前に、胸にあてて眠れば
あなたの命を助けてあげましょう。」
そう言って光を渡し、神様はどこかへ行ってしまいました。
誰もいない大地の上。
やわらかく、あたたかい光を
じっと見つめていました。
しばらくすると女の子は何かを思いついたように、その光を半分にしました。
そして一つは土の中に、もうひとつは足元の小さな水溜りの中へポチャンと入れてしまったのです。
「また、ここで遊べますようにっ!」
そう言って、静かに眠りにつきました。
次の日。
大地には雨が降り、
青々とした草原が広がっていました。
終わるはずだった世界が、もう一度再生し始めたのです。
女の子が眠っていた場所に、何かが生えているのが見えます。
よく見ると紫色をした物体に、目と口・・・。
しばらくすると、不思議な生き物が
土の中からひょいっと出てきました。
さつまいも・・・?
女の子が眠っていた場所、
そこには「おいもかこ」と書かれた文字と絵が残されていました。
ー続くー
bottom of page